地上絵プロジェクト
里芋フィールド オブ アーツ

里芋地上絵畑 誕生物語

私たちが、里芋畑にほぼ原寸大のナスカの地上絵を描き始めたのは2017年。
この年は、ちょうど「祝ペルー山形県人会設立100周年」という祈念すべき年でした。

ペルーに山形県人会があることすら知らなかった私は、地上絵の作成と設立100周年が同じ年であったことが、偶然ではなく必然であったことを、あとで知ることとなります。

山形の里芋畑にナスカの地上絵を描いた理由は、山形のおいしい里芋を世界中に発信するためです。そこには、これからの農業をもっと楽しく、もっと豊かにという想いも込められています。

山形名物 芋煮の主役は「里芋」です。里芋は、山形の農産品の宝物的な存在になっています。また、「ナスカの地上絵」はいうまでもなく、世界遺産。しかも、山形大学は、ペルーの現地にも研究所を持っている、世界でも有名な研究機関です。つまり、ナスカと山形は深い関わりがあるということです(ちょっと無理やり感ありますが)。

山形の代表でもある「里芋」と、ナスカの世界遺産をリミックスしたのがこの企画です。まったくもって、バカとしかいいようのないインパクトのみの企画です。それが全国放送のテレビに取り上げていただけるような取り組みとなりました。

今から4年前、地上絵を描いた後になりますが、ナスカの地上絵のことをもっと知りたくて、ナスカの地上絵の研究で世界的に有名な山形大学の坂井教授に会いに行きました。ナスカの地上絵がなぜ描かれたのか、地上絵の簡単な描き方、アンデス文明には文字がなかったなどなど、たくさんお聞きすることができました。矢追純一さん(古いかな)のUFOの話を聞くがごとく、すごく胸弾む時間だったことを覚えています。

その坂井教授との出会いから、新たな道が開くことになります。「祝ペルー山形県人会設立100周年」の話も、坂井教授からお聞きしました。その100周年のお祝いに、ナスカの地上絵を描いた里芋で芋煮を振る舞えたら、きっと現地の山形県人会の皆さんに喜んでもらえますよね~! なんて、最初は軽い話でしたが・・・。

やるべき道は、いつもとんとん拍子で事が進みます。

坂井教授が、現地の県人会担当の方を紹介してくれることになり、祈念式典での芋煮企画を話したら、ぜひともお願いします‼ とのことで、なんと、なんと、ペルーに芋煮を作りに行くことが決定します。話は順調に進みます。里芋の入国検疫を除いては。

里芋をペルーに持ち込むには、どうしたらいいのか? よくある話ですが、担当者不明のたらい回しに遭遇し、時間だけがあっという間に過ぎていきます。日本、ペルー、両国の領事館などなど、いろんなところに問い合わせ、最終的にGOが出たのが、100周年記念式典の2週間前でした。ギリギリです。

ペルーに芋煮を作りにいくなんて、最初は夢物語です。日本から、地球の裏側のペルーに行くなんて。ましてや、海外旅行に慣れているわけでもなく、スペイン語を話せるわけでもなく、移動だけで27時間、山形から成田空港までの移動も合わせたら、32時間以上かかります。どう考えても難しい。

現地に着くまでは、いろいろな課題や事件もありましたが、無事に山形の食材(里芋、こんにゃく、芋煮のたれ)を持参して、100周年の記念式典で芋煮を作り、皆さんに食べてもらうことが実現しました!

祝ペルー山形県人会設立100周年記念式典で振る舞った山形芋煮は、ものすごく評判がよく、残った汁を競って持ち帰るほどの反響でした。ペルーの山形県人会は、いまはく日本語も話せない3~4世の方が多く、山形の本場の芋煮を食べたことがない人もたくさんいたはずです。遺伝子なんでしょうか!? 「イママデタベタ イモニノナカデ イチバンオイシイ‼」と口々に喜んでくださいます。

ある理事の方から、「先人たちの想いに応えてくれて、ありがとう。先人たちは、故郷の山形に想いをはせ、山形の芋煮を食べられる日をずっと待ち望んでいたんです。きっと、先人たちも喜んでくださっていると思います」と言われたときに、これは偶然ではなく、必然だったんだ‼ 100年間のさまざまな歴史のなかで、先人たちが抱えてきた強い想いが、地球の裏側から私たちに届いたのかもしれません。

まさに、都市伝説!! 信じるか信じないかはあなた次第です・・・みたいな。

その2年後。昨年になりますが、今度は「ペルー山形県人会渡航110周年記念式典」で、山形芋煮の振る舞い要請があり、今回はなんと来賓として、再度ペルーで芋煮を作ってきました。

今年は、コロナウイルスの影響を受けて、自粛しようかとも思いましたが、「トゥミ」を描いて、コロナウイルスの早期終息と、山形だけではなく、日本、そして世界中のみんなが少しでも元気になってもらえるよう祈念します!

「トゥミ」って何?

トゥミとは、インカ時代からアンデスに伝わる黄金の半月形ナイフです。黄金でできているので、トゥミには太陽の神様が宿るといわれていて、その秘められたパワーが災いを断ち、未来に豊穣をもたらすといわれています!

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